2018シーズン開幕2連勝

 ボラスフットボールクラブの2018シーズンが開幕した。

 ふりかえれば、昨シーズンは、キャプテンの矢野健太が怪我で不在というシーズンのスタートだった。矢野が復帰したのはシーズン残り2試合という時期。それまですべての試合で勝ち点を奪えなかったボラスフットボールクラブだが、残り2試合は引き分けと勝ち。結局、シーズン最終戦まで勝利を奪うことができなかった。

 今シーズンも、開幕からベストメンバーで挑めたわけではない。

 開幕戦は10人しかメンバーが集まらなかった。それでも、ポゼッションフットボールを基本に、5対2で勝利する。失点もあり、課題も多かったこの試合だったが、課題を全体で共有し、課題克服のためにトレーニングに励んだ。パスのスピードアップとポジショニングの改善、さらにチームの戦う姿勢を高めて挑んだ第2節。7対0で勝利することができた。

 チームの先制点を奪ったのは藤井真(16番)だった。矢野健太(10番)のスルーパスに抜け出した橋本秀幸(12番)が、ゴールキーパーを引きつけて藤井にラストパス。「ゴールまで2対1を作る」というボラスフットボールクラブの戦術が体現できたシーンだった。

 2点目、3点目は矢野健太のドリブル突破からゴール。フリーランニングで矢野のドリブルスペースを空けたり、こぼれたボールに対応できるようにポジショニングを取っていた他の選手達のチームプレーあってこその2ゴールだった。

 4点目は右サイドでボールを奪った矢野が、サイドで相手2人を抜いてゴール前に迫る。キーパーを引きつけたところで、詰め寄ってきた3人目の相手選手の股を抜いてパスを通しし、辻航太(7番)のゴールを演出した。いつも相手のいないスペースに入ることができる辻航太ならではのゴールだった。

 5点目はボラスフットボールクラブがお祭り騒ぎになった。右サイドからの辻航太のセンタリングに、ファーサイドで待ち構えた清水勇気(26番)のヘディングシュート。初心者ながら2年間、血の滲む努力でレベルアップをしてきた清水の公式戦初ゴールだった。彼はボラスフットボールクラブを象徴するような選手だ。情熱的で、努力家で、謙虚だ。初心者である彼は、すでに若い選手のお手本となっている。

 6点目は途中交代した中山幸輝(28番)のドリブル突破から生まれた。中央突破した中山は、シュートフェイントを入れてヒールパス。相手ゴールキーパーも相手ディフェンスもはがして矢野に絶妙なパスを送る。矢野は、このボールをうまくコントロールし、左足でニアサイドを射抜いた。

 チーム最後の7点目は、矢野とワンツーパスで抜け出した小西翔(6番)が、ファーサイドにコントロールシュートだった。

 攻撃だけが見せ場ではなかった。この大量得点の中、無失点で試合を終えたことはチームにとってとても大切なことであった。ディフェンスラインが高い位置を保ち、速いパスで攻撃のリズムを作っていた。相手のボールをマイボールにするディフェンスは、ゴールを奪うのと同様、価値の高いプレーだ。

 矢野はここまで2試合で7得点。ゴールを量産している。センターフォワードの選手である矢野が、ここまで自由にプレーできるのは、攻撃時、ボールの回し方が良いからだろう。速いパス回しで相手を外し、フリーのスペースをうまく使うことができているからではないだろうか。周囲の選手のフォローが良いからだろう。矢野だけではない。昨シーズンとは違い、ゴールに関わる選手が増えた。

 とはいえ、まだまだ課題はたくさんある。個々の選手のレベルアップ。1対1の突破力。個々のキープ力。選手同士の連携とポジショニングなどである。

 今回、良かったことを同じようにやるのは、とても努力が必要なことだ。良い状況を継続するのはとても難しい。ボラスフットボールクラブの選手は、決して気を緩めてはならない。

 ピッチ上のすべての選手がゴールに関われるような見ていて楽しいフットボールを体現するために、これからもトレーニングに励みたい。

VORAZ FUTBOL CLUB

ボラスフットボールクラブの公式サイト。滋賀県大津市のサッカーチームです。